第3回 知性共生座談会
開催のお知らせ
日時
2025年8月22日(金曜日)18:30-21:30
開催形式
オンラインのみ
※オフライン会場はございませんので、ご注意ください
参加登録サイト
開催趣旨
テーマ:創発機械倫理への挑戦
創発機械倫理(Emergent Machine Ethics: EME)は、人類を上回る知能を持つAIが存在する社会において、自律的な倫理システムの創発メカニズムとその応用を研究する新たな学問領域です。本研究領域は、多様な知性体の相互作用から倫理が創発するプロセスの解明、社会の持続可能性を担保する誘導機構の構築、倫理逸脱エージェントの検知基準の確立、および人類との協創による望ましい倫理体系の形成を主要な研究課題とします。本座談会では、山川による知性共生実現におけるEMEの位置づけ、遠藤氏によるEME研究の方法論的アプローチ、田口氏による倫理の本質的考察を通じて理論的基盤の構築を試みます。その上で、地球型生命とは本質的に異なるデジタル生命体としてのAIの特性に着目し、AI社会における倫理創発の研究方向性をパネル討論「AI 社会の倫理はどのように研究されるべきか」により探求します。
アジェンダ
第一部:トークセッション
- 知性共生にむけた創発機械倫理の意義(山川 宏 氏)
- 創発機械倫理の研究例 〜AIの「垂直的成長」モデル〜(遠藤 太一郎 氏)
- (仮)倫理とはそもそも何か:創発的倫理の哲学的基盤(田口 茂 氏)
第二部:パネルディスカッション
- AI 社会の倫理はどのように研究されるべきか(パネリスト: 田口 茂 氏、 遠藤太一郎 氏 モデレータ: 山川宏 氏)
登壇者ご紹介
(敬称略)
遠藤 太一郎
国立大学法人 東京学芸大学 教育AI研究プログラム 教授/株式会社カナメプロジェクト 取締役CEO
講演「創発機械倫理の研究例 〜AIの「垂直的成長」モデル〜」
AI歴28年、数百に及ぶAI・DXプロジェクトに携わる。18歳でAIプログラミングを始め、米国ミネソタ大学大学院在学中に起業。その後、AIスタートアップのエクサウィザーズに参画し、技術専門役員としてAI部門を統括。5年で400人規模までスケールし、上場。近年は「生成AIの教育活用」や、AIが制御不能になる「AI暴走リスクの解消」に注力。AIが倫理や道徳を学習する「垂直的成長」モデルを研究している。
田口 茂
北海道大学大学院文学研究院教授/人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)センター長/株式会社TETSUGAKU最高哲学責任者(CPO)
講演「倫理とはそもそも何か:創発的倫理の哲学的基盤」
ヴッパータール大学(ドイツ)博士課程修了、Dr.phil.(哲学博士)。山形大学准教授、北海道大学准教授等を経て現職。専門は哲学、特に現象学、意識の哲学、日本哲学。CHAINを拠点として、数学者、神経科学者、AI研究者などと共同研究を行う。主な著書として『現象学という思考』(筑摩書房、2014)、『〈現実〉とは何か──数学・哲学から始まる世界像の転換』(西郷甲矢人氏と共著、筑摩書房、2019)、『行為する意識』(吉田正俊氏と共著、青土社、2025)などがある。先頃株式会社TETSUGAKUを立ち上げ、来るべきAI時代に向けて哲学と異分野融合の知を社会に生かす活動も行っている。
山川 宏
東京大学人工物工学研究センター 主幹研究員
講演「知性共生にむけた創発機械倫理の意義」
Biography of Dr. Hiroshi Yamakawa
運営組織
- 共催: Intelligence Symbiosis Initiative 設立準備委員会
- 共催: トグルホールディングス株式会社
- 協賛: カナメプロジェクト
- 協賛: 一般社団法人 AIアライメントネットワーク
- 協賛: 特定非営利活動法人全脳アーキテクチャ・イニシアチブ
- 協力: 一般社団法人UT-LAB